SHUREのフラッグシップイヤホンとしてSE846があまりにも有名ですよね。筆者も愛用していて、本当に最高のイヤホンだと思います。
ところがSHUREの高級イヤホンを探していると、他になにか変なのが出てきませんか?
そうです。「KSE1200」と「KSE1500」です。
KSEシリーズはコンデンサー型イヤホンという少し特殊な機構のイヤホンで、「振動板の比重が殆どなくて軽量」「音が非常に繊細」「専用アンプが必要」などの特徴があります。
筆者はSE846とKSE1200の両方を所有しており、どちらもかなり気に入って愛用しているため、比較記事を作成することにしました。
スペック・仕様
スペック・仕様の概要を下表にまとめました。
SE846とKSE1200を横並びに比較できるようにしています。
KSE1200の再生周波数帯域の広さは圧倒的ですね。
遮音性は同等で両者ともかなり高いです。
SE846 | KSE1200 | |
ドライバ構成 | バランスド・アーマチュア型 ✕ 4 | コンデンサー型 |
再生周波数帯域 | 15Hz~20kHz | 10Hz~50kHz |
ノイズアッテネーション | ≦37dB | ≦37dB |
ケーブル端子 | mmcx | ※リケーブル不可 |
詳細 | amazon | amazon |
それぞれの良い点
それぞれを比較した時の良い点を以下に洗い出しました。
SE846の良い点
低域の質が高い
色々なレビューでも目にするかと思いますが、低域の質が非常に高いです。
この高品質な低域の秘密は12枚のステンレスプレートで構成された「ローパスフィルター」によるものです。
低域用のユニットから出力された音はこの4インチ(10.16cm)の迷路を通ることで余分な中高域を減衰さた高純度の低域を採取するという画期的な機構を実現させました。
ちなみのこのローパスフィルターは発売10年以上経った今でも搭載しているイヤホンはSE846だけです。
単純に低域の量が多いのではなく、低域の情報量が多いです。
物理的な高域の調整が可能
「ウォーム」「ミディアム」「エクステンド※」「ブライト」のノズルインサートが付属しており、交換することで高域の減衰度を調整することができます。
物理的に4種類の音を楽しめるのは良いですね。
ちなみに、ブライトノズルを好んで使用している方が非常に多い印象です。
※エクステンドノズルは第2世代のみ付属
ユーザーが多い
SE846は販売から10年以上経過しているにも関わらず未だにかなりの台数が売れ続けている超ロングセラーモデルでもあります。
10万円以上するイヤホンをこんなに沢山売るって本当に凄いと思います。
ユーザーが多いため情報が集めやすく、SNSなどで共感を得やすいのも非常に楽しいです。
リケーブル可能
え!?リケーブルって当たり前じゃん。と思った方は多いのではないでしょうか。
なんと比較対象のKSE1200はリケーブルが出来ません。
次項以降で、このリケーブルができないとうデメリットを覆せるほどのKSE1200のメリットを後述します。
KSE1200の良い点
音場がかなり広い
SHUREのイヤホンは得てして音場が狭めで、人によっては窮屈と感じる人もいるようですが、KSE1200は異常に音場が広いです。
開放型ヘッドホンと比較しても遜色ないほど音場が広いです。
遮音性が非常に高いのに音場が広いので少し不思議な感覚になります。
カナル型イヤホン特有の窮屈さが無いため、いつまでも装着していたくなるイヤホンです。
高域が滑らかで伸びる
高域が非常に滑らかです。かなり高域が出るのに全く耳に刺さりません。
筆者はAPEXなどのゲームでもこのイヤホンを使用しているのですが、銃声も良く聴こえるのに全く耳に刺さらないためこのイヤホンの音は唯一無二だなと感じています。
コンデンサー型イヤホンの振動板は質量がほぼ無いに等しいくらい軽く薄いもので出来ているため、筆者の勝手な想像ですが、鼓膜の強度よりも振動板の強度が低いため高域が強く出ても耳には刺さらないのかな?と思っています。
ハウジングが軽い
ハウジングが非常に軽いです。前述したようにコンデンサー型イヤホンの振動板は非常に薄く、比重が皆無に等しいためハウジング全体が非常に軽くなります。ここがBAの多ドライヤホンとは対をなす部分です。
イヤモニの中でも非常に軽いSHURE SE215やSENNHEISER IE100PROをも凌駕するほど軽いです。
長時間使用する場合の耳へのストレスはKSE1200が圧倒的に軽いです。
まとめ
SHURE製品は製品によって音の違いはあれど、どことなくSHUREっぽいなという、いわゆる「SHUREサウンド」と呼ばれる独特な音色をしています。
SE846とKSE1200とで音の傾向は全く違うのですが、やはりどちらもSHUREサウンドです。
筆者はSHURE信者のため、どちらの音も非常に好きですが、音だけに絞ると、音場の広いKSE1200のほうが若干好きかな?といった感じです。
ただしKSE1200は専用アンプが必要でケーブルも太く持ち運びがしにくい、リケーブルが出来ないといった致命的ともとれるデメリットもあります。
メリット、デメリットを把握した上で是非両方とも試聴して頂きたいイヤホンです。