「ケーブルの交換で本当に音質は変わるの?」
「私は効果があると思うんだけど、無いと言う人もいて不安になる」
「リケーブルはオカルトと言っている人を見たけどホントなの?」
リケーブル用のケーブルには目が飛び出る程高価なケーブルもあったりして、交換するなら絶対に失敗したくないですよね。
ポータブルオーディオの楽しみであるリケーブルの効果については様々な意見を持っている人がいて、意外とデリケートな話題だったりするのですが、私は効果があると確信しています。
今回はポータブルオーディオ歴がそこそこ長く、オーディオに100万円以上は使っているであろう筆者がリケーブルの効果について解説したいと思います。
リケーブルがオカルトではない根拠
ケーブルを通る信号はアナログ信号である
オーディオの信号はDAC(デジタル信号をアナログ信号に変換するICチップ)を境にアナログ信号に変化します。そしてケーブル内を通る信号はアナログ信号の領域です。
つまり、オーディオケーブル内の線材の種類や太さによって音が変わるのは理論的にも当然のことです。
実はリケーブルによる音質への影響はギタリストやベーシストなどのミュージシャンの間では常識なのですが、音を聴くだけのオーディオ界隈ではリケーブルはオカルトと言う人が出てくるのがとても不思議に思っています。
電気伝導率の違い
オーディオケーブルの線材で最もポピュラーな銅線の電気伝導率は「100.0」ですが、高級ケーブルによく採用されている銀線の電気伝導率は「105.7」です。
また、純度もケーブルによって異なります。(例えばよく6N銅線などと表現されているのは純度99.9999%(9が6個)の銅のことです。NはNine=9の意味ですね)
他にもハイブリッドで色々な芯材を混ぜたケーブルなども存在するため、そもそも電気信号の減衰量がケーブルによって千差万別ということです。
芯線の太さの違い
ケーブルは細ければ細いほど高域の再現性が上がる変わりにノイズの影響を受けやすくなり、雑味が出てきます。逆に太くなれば雑味は減りますが「表皮効果」という現象によって高域が減衰します。
これは科学的に証明されている現象で、リケーブルによって確実に音質は変化するという根拠にもなります。
上述した線材による変化も踏まえるとそれこそ無限通りの変化の組み合わせがあります。
接続回路の違い
いわゆる、バランス接続かアンバランス接続かの違いですね。
バランス・アンバランスで回路構造そのものが異なるため、音質に大きな差が出ます。
音質以外のリケーブルのメリット
取り回しの変化
高級なケーブルは取り回しまで考えられていることが多く、しなやかでクセのつきにくい材料が使われていることが多いです。
純正ケーブルが絡まったり引っかかったりしやすいという悩みをお持ちの方は、取り回し改善を目的としてリケーブルを検討しても良いでしょう。
タッチノイズの変化
ケーブルが服などに擦れた時に生じる「ゴソゴソ」「ボソボソ」という音が耳に入ることを「タッチノイズ」と呼ぶのですが、高級なケーブルはタッチノイズが低減されるような工夫されている物が多いです。
特に有線イヤホンを歩きながら使用する人はなるべくタッチノイズが小さいケーブルをオススメします。
ファッション的効果
有線イヤホン着用時にかなりケーブルは目立ちます。
これが色や素材によってファッションアイテムにもなるため、リケーブルによるファッション的な効果も期待することが出来ます。
おすすめのリケーブルブランド3選
NOBUNAGA Labs(ノブナガラボ)
NOBUNAGA Labsは日本のオーディオメーカーWiseTechの展開するリケーブル用のケーブルを販売しているブランドです。
かなり知名度が高く、おそらく日本で一番シェアを持っているリケーブルブランドでしょう。
名実ともに人気なケーブルを多数販売しており、「澪標(みおつくし)」や「瑞鳳(ずいほう)」などの格好良い和名を商品名として使用することも特徴です。
音質ももちろんですが、ケーブルの取り回しが非常に良い商品を多数取り揃えているブランドです。
Brise Audio(ブリスオーディオ)
Brise Audioは日本の埼玉県高崎市に本社を置くハイエンド・オーディオブランドで非常に高価なケーブルを多数展開しています。
非常に高価ですが、質感やデザインが非常に良く、所有欲を満たしてくれるブランドです。音質は間違いありません。
NICEHCK
NICEHCKはスペックの割に非常に低コストなケーブルを取り扱っている中華ブランドです。
他の有名ブランドのケーブルと比較して非常に価格がリーズナブルなため、筆者は銅線の音や銀線の音、バランス・アンバランスの違いなどの掴むためにNICEHCK製のケーブルを複数購入していました。
まとめ
以上、今回はリケーブルの効果について解説しました。
ポータブルオーディオはイヤホン本体、イヤーピース、アンプ、ケーブルと、音を変化させる要素とその組み合わせが無限に存在し、様々な要素が複雑に絡み合うので難しいのですが、難しいが故に飽きずに長く楽しめる部分でもありますよね。