DUNUはゼンハイザー社のイヤホンと同等の音質クオリティとMonster社のデザイン性を1/3の価格で提供することを目標とし、2012年秋のヘッドホン際の出展を機に日本市場に参入したオーディオブランドです。
今回、レビュー用に試聴機を頂きましたのでレビューさせて頂きます。
なお、メーカーからはレビュー内容の指定や添削などもなく、ただ「レビューを書いて欲しい」とのことだったので感じたことを自由に書かせて頂きます。
スペック・仕様
スペックの概要を下表にまとめました。インピーダンスが結構大きめで、アンプのパワーはそこそこ必要です。なお、筆者はFiiOのBTR7に接続して試聴しましたが、BTR7では十分な音量が得られました。
通常のポータブルアンプやBluetoothレシーバーなら全く問題無いと思います。
ドライバ構成 | 1DD(10mm) |
ハウジング素材 | 高密度合金 |
ノズル材質 | 金メッキ真鍮 |
コネクタ | 0.78 2Pin |
ケーブル長 | 1.2m |
再生周波数 | 5Hz~40kHz |
抵抗 | 32Ω |
詳細は以下のリンクよりご確認頂けます。
良い点・気になる点
良い点
充実した付属品
まず、中華メーカーあるあるですが付属品が充実しています。
本体、ケーブル、専用ポーチ、イヤーピースが3種類✕S、M、Lの3サイズ、6.3mm標準プラグ変換コネクタ、クロス、ノズル清掃用のブラシが付属しています。
特に専用ポーチはデザインや質感が良くかなりしっかりしているため、そのままカバンに入れて雑に扱っても十分イヤホンを保護してくれそうです。
優れたデザインと質感
まず開封して感じたことは、1万円代にしてはかなり質感が高いと思いました。
塗装や金属の仕上げを細かくチェックしましたが、手を抜いているような所は全く見当たらず、価格からは想像できない質感に仕上がっています。
また、色とデザインの主張が控えめで落ち着いていて、老若男女問わないのも良いですね。
所有しているだけでファッションとしても機能しそうです。
ドンシャリなのにスッキリしたサウンド
サウンドは低域と高域を強調し中域を控えめにした、いわゆるドンシャリサウンドです。特に重心が低く、低域に関してはかなりの音圧を感じることができます。
ドンシャリにもかかわらず余韻的な成分は控えめでかなりスッキリした印象で少し不思議なサウンドに仕上がっています。
普通のドンシャリ系イヤホンだと篭りがちなベースラインがクッキリと聴こえるので、ドンシャリにも関わらず高品位なモニターイヤホンのようにベースラインを気持ちよく追うことができます。
ベーシストが耳コピ用のイヤホンとして使用することもできるのではと思いました。
強力な遮音性
ハウジングに重量があり、ベント等もついていないため、遮音性能がかなり強力です。
筆者の所有しているイヤホンで圧倒的に遮音性の高いSHUREのSE846に匹敵するというか、むしろこちらのほうが高いのでは?と感じるくらいに遮音性能が高いです。
通勤・通学の車内の騒音緩和やバンド演奏時のモニターとして活躍できる十分な性能があると思いました。
気になる点
コネクタの耐久性
2Pinの宿命かもしれませんが、本体にくぼみ等がなく、2Pinのコネクタのみでハウジングを支える構造のため、横向きに荷重がかかった時の耐久性には懸念があります。
2Pinはmmcxのようにクルクル回ったり接触不良を起こしたりしにくいというメリットもあるのですが、少し雑に扱い辛いのかなと感じました。
まとめ
メーカーからはレビュー内容の確認も無くただの依頼のみだったので、よほど品質に自信があるのかな。とは思っていましたが、確かにこの商品を素直にレビューすると良い評価しかできないな。というのが素直な感想です。
ゼンハイザーと同等の音質クオリティを1/3の価格で提供するというブランドの理念も非常に解りやすい上に、優れた他社へのリスペクトも感じられて筆者としてはとても好印象でした。
この商品の販売価格は1.5万円程度です(記事執筆時はセールで1万円程度になっているようです)
この価格帯はSHUREのSE215や、SENNHEISERのIE100Proなど、大手老舗の超人気イヤホンがライバルになる価格帯のためかなりのレッドオーシャンですが、この2機種と比較しても十分に戦えるポテンシャルを持っていると感じました。
気になった方は、是非チェックしてみてください。