SHANLINGが2023年3月24日に発売した超小型DAPです。私は普段iFiaudioのxDSD Gryphonをポケットに入れて持ち歩いているのですが、これから暖かくなるとポケットの数が少なくなり持ち運びが不便になるなぁ。。と考えていたところ、Twitter内で大勢のフォロワーさん購入されているのを見て、この、昔のiPod nanoを思い出す筐体がどうしても欲しくなり、、、ポチ。
結論として購入して大満足なのですが、操作感などの感想をまとめました。
基本仕様・スペック
筐体の仕様
筐体の仕様は下表のとおりです。
筐体 | |
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筐体素材 | アルミニウム |
サイズ | 43.8×45×13.8mm |
重量 | 36.8 g |
ディスプレイ | 1.54インチ 240×240 タッチスクリーン |
まず、筐体の素材がアルミニウムです。樹脂製と思っていたので思ったよりかなり良い質感でした。あと、軽い。
小さいですがタッチ式のスクリーンがついています。イヤホンジャックやmicroSDの挿入口、USB-C端子は全て下部にまとめられています。
ボリュームノブは少しチープ。ここは改善して欲しい!
100円ライターと比較した画像。めちゃ小さい\(^o^)/
スペック
スペックは下表のとおりです。まず、DACチップはESS ES9219C×2の構成です。これは上位モデルの M3Ultraと同じ。このサイズなのに本格的なチップセットが搭載されています。
スペック | |
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DAC チップ | ESS ES9219C×2 |
オーディオフォーマット | DSD(“.iso”,”.dsf”,”.dff”) / DXD / APE FLAC / ALAC / WAV / AIFF / AIF / MP3 / WMA / AAC / OGG / MP2 M4A / AC3 / CUE / M3U |
音声対応形式 | 最大384kHz / 32bitまでのPCM DSD128(5.6MHz) |
Bluetooth Ver | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | 送信:LDAC / aptX / AAC / SBC 受信:LDAC / AAC / SBC |
出力系統 | 3.5mm 4.4mm(別売アダプタ使用) |
ストレージ | MicroSDカードスロット×1(最大2TB) |
バッテリー容量 | 650mAh |
連続再生時間 | 最大:14.5時間(シングルエンド) 最大10時間(バランス) *再生フォーマットや動作状況により変動します |
対応しているオーディオフォーマットはMP3、AAC、WMA、WAV、FLAC、DSDなど、メジャーな形式からハイレゾ形式まで不足なく対応しています。
バッテリーはシングル出力で14.5時間、バランス出力で10時間と単体でも十分。また、充電しながらでも操作可能(検証済)なため、モバイルバッテリーなども併用すれば実質無限です。
BluetoothのコーデックはSBC、AACからLDACにまで対応しています。Apt-Xシリーズは標準しか対応していないので、ゲーム用にApt-X LLには対応してて欲しかったな、と思いました。
Bluetoothは受信だけでなく送信にも対応しています(後述しますが、これが良い)
オーディオ特性
オーディオ特性は下表のとおりです。出力レベルやインピーダンスは所持しているヘッドホンなどを鳴らせるかの参考になると思います。
あまり数値的な仕様を気にしすぎるとオーディオの本質からそれていく気がするので、私はこのあたりは参考程度に留めています。実際に聴かないと解らないですよね。
オーディオ特性 | |
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シングルエンド出力 | |
出力レベル | 1.7V @32Ω(90mW) |
周波数応答 | 20Hz – 40KHz(-0.5dB) |
THD+N | 0.0006% (A特性 @720mV) |
チャンネルセパレーション | 72dB @32Ω |
ダイナミックレンジ | 119dB @32Ω(A特性) |
S/N比 | 118dB @32Ω(A特性) |
出力インピーダンス | 0.4Ω |
バランス出力 | |
出力レベル | 2.75V @32Ω(236mW) |
周波数応答 | 20Hz – 40KHz(-0.5dB) |
THD+N | 0.0004% (A特性 @1V) |
チャンネルセパレーション | 109dB @32Ω |
ダイナミックレンジ | 121dB @32Ω(A特性) |
S/N比 | 119dB @32Ω(A特性) |
出力インピーダンス | 0.8Ω |
付属品
付属品は必要最低限かな。。という感じです。
付属品 | USB-A to USB-C充電用ケーブル 専用保護フィルム クイックスタートガイド 製品保証書 |
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UP5はレザーケースがついていたのにケースすらついていません。ケースは別売です。
また、一番注意が必要なのが※バランス接続には別途専用ケーブル(別売)が必要なことです。また、3.5mmの端子がバランスも兼用しているため、以下の専用ケーブルじゃないとバランス接続の恩恵を受けれません。せっかく筐体が小さいのにケーブルで嵩張るのは少し残念。
色々使ってみた
音質
音質はこのサイズを考えると驚くほど良いです。正直、上位モデルのM3Xに肉薄しているか、あるいは同等の音質と思います。出力も高く、ローゲインのままボリューム25%くらいでもSENNHEISERのIE600がそこそこ大きい音で鳴ります。
試聴は必要ですが、抵抗の大きいヘッドホンでも大概の機種を鳴らせるくらいのパワーがあります。
音のバランスは若干低域と高域がブーストされた弱ドンシャリ系に感じます。ウォーム系・リスニング系のイヤホンとは相性がバッチリです。私の所有機ですと、以下の2機種ですね。
- Final E2000
- SENNHEISER IE600
操作性
操作性について、Androidではなく専用OSのため、割とサクサク動きます。起動も早い。
また、SyncLinkをONにすることで、専用アプリの「Eddict Player」を使えばスマホからリモートコントロールが出来ます。DAP自体はポケットに入れたまま遠隔操作が可能です。
Bluetoothの品質
Bluetooth接続について、LDACの接続優先で朝の大阪メトロ御堂筋線(多分大阪の通勤時に一番混むところ)を利用しましたが、時々ブツブツと途切れたため、Bluetoothレシーバーとしての性能はUP5のほうが高いと思います。
USB-DACとしての能力
UP5でも感じましたが、USB-DAC利用時に音の厚みがかなり増します。ただし専用のDACスティック等と比較すると劣るため、USB-DAC利用専用にするなら別の物を購入したほうが良いと思います。
トランスミッターとして
これが意外に便利でした。
運動のためにTWSを買ったのにケースとスマホも一緒に持ち歩く必要があるので、激しい運動があまりできなかった経験って無いでしょうか。スマホを持ち歩いてウォーキングくらいなら大丈夫ですがランニングは厳しい。
本機はBluetoothトランスミッターとして利用できるので、内部の音楽データをワイヤレスイヤホンやヘッドホンに飛ばせます。
つまり、持ち物が以下の写真の物だけで良くなります。
良い点と悪い点
以下に良い点と悪い点をざっくりまとめました。
良い点
コンパクトで質感良
一番はやはりこのサイズと軽さだと思います。しかもアルミニウム筐体で質感も良いので、所有欲も満たされます。
高音質・高出力
このサイズと価格でこの音質と出力は凄いと思います。音質についてはある程度妥協すると思ってましたが、いい意味で想定外でした。
アプリコントロールが便利
スマホから遠隔操作できるのは本当に便利です。リモート操作時の動作速度も非常に軽い。
トランスミッター利用が神
トランスミッター+TWSの運用は運動時に最高だと思います。スマホって結構運動時に嵩張りますから。
悪い点
付属品少なすぎ
別売品が少し多いように感じました。ケースとケーブル揃えると5千円弱高くなります。。
アプリのクセが強い
慣れると大丈夫ですが、アプリのクセは強めだと思います。
単機でのストリーミング未対応
Androidを搭載していない都合上仕方ないですが、単独でストリーミングに対応していれば神デバイスでした。
まとめ
別売品が多いなど問題はありつつ、やはりこの昔のiPod nanoのように使えるデバイスは魅力的で、思ってたより質感や音質が良かったのでかなり気に入ってます。
このサイズ感のDAPが今後流行っていくと良いなと思いました。ストリーミング対応もできたら尚良いですね。