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【Bluetoothコーデックの種類】解説|Bluetoothコーデックの種類と特徴を解説

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AirPodsの登場やストリーミングサービスの普及により、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンの需要が高まっていますよね。

特に新型コロナウイルス感染症対策に伴う引きこもり需要によって、さらに需要が高まったように思います。

イヤホンやヘッドホンを選ぶ時にBluetoothコーデックという記載があり、なんだか難しくてよく解らないという人も多いのではないでしょうか?

Bluetoothコーデックとはワイヤレスイヤホンの通信規格であり、以下の性能に影響します。

・音質
・遅延性
・通信の安定性

なるべく低遅延かつ高音質で音楽を楽しみたい人も多いはずです。

そこで本記事ではBluetoothコーデックの説明と各コーデックの詳細を説明します。ぜひ参考にしてみて下さい。

目次

Bluetoothコーデックとは

改めてBluetoothコーデックとは、Bluetooth通信を利用した音声圧縮技術です。

Bluetoothコーデックの種類により圧縮方法や圧縮効率が異なるため、コーデックの種類は音質や遅延性、安定性に大きく影響する要素となります。

ちなみにこれらの性能については搭載しているチップ、Bluetoothのバージョン(※5.0以降がおすすめ)、イヤホン本体のチューニングや品質による部分も非常に大きいです。

Bluetoothコーデックはあくまで、通信性能や音質を決める一要素に過ぎないこと理解しておくと良いでしょう。

主なBluetoothコーデック

まず、Bluetoothコーデックの性能を語る上で以下の4つの意味を理解しておく必要があります。

①:量子ビット数
②:サンプリング周波数
③:レイテンシ(遅延)
④:ビットレート

量子ビット数:音の大小を何段階で表すかの指標のことです。量子ビット数が大きいほど音の強弱が滑らかになります。CD音源は16bit、ハイレゾ音源は24bitが主流です。

サンプリング周波数:1秒間に音を何分割するかの指標です。たとえば48kHzの場合は1秒間に音を48,000分割してデータ化します。サンプリング周波数が大きいほど音の時系列的な繋がりが滑らかになります。

レイテンシ(遅延):音がどの程度遅延するかの指標です。レイテンシが小さいほど、音ズレが小さくなります。動画視聴やゲームをする上で重要な指標になります。

ビットレート:1秒間あたりのデータ量のことです。この値が大きいほど情報量が多くなりますが、通信量が多くなるため遅延や安定性の観点では不利となります

SBC

SBCはSub Band Codecの略で、Bluetoothオーディオの標準コーデックです。

基本的に全てのBluetoothオーディオ機器で再生可能です。

量子化ビット数/サンプリング周波数は16bit / 48kHz。レイテンシ(遅延)は220ms(±50ms)程度、最大ビットレートは328kbpsです。

仕様上は全コーデックの中で一番遅延が大きく情報量が少ないコーデックとなります。

AAC

AACはAdvanced Audio Codingの略で、量子化ビット数/サンプリング周波数は16bit/48HzとSBCと同等ですが、レイテンシ(遅延)は120ms(±30ms)程度です。ビットレートは非公表です。

iPhoneなどのApple製品が積極的に採用しているコーデックで、Apple製品の対応コーデックの上限は基本的にAACとなります。

Appleだけでなく、米国の大手オーディオメーカー「BOSE」もコーデックの上限をAACにしているなど、音質と通信安定性のバランスが良くとれたコーデックといえます。

aptX

画像引用元:aptx.com

aptXは米国の大手半導体メーカーのQualcommが開発(正確には開発したCSR社をQualcomm社が買収)した通信コーデックで、理論上はAACよりも低遅延・高音質なコーデックと言われています。

量子化ビット数/サンプリング周波数は16bit/48Hz、レイテンシ(遅延)は70ms(±10ms)程度です。最大ビットレートは352kbps~384kbpsです。

多くのAndroidスマホで採用されているコーデックです。

aptX-LL(Low Latency)

aptX-LL(aptX Low Latency)は、Low Latency(低遅延)の名の通り、今回紹介するコーデックの中で最も低遅延なコーデックです。

音質はaptXと同じでありながら、レイテンシ(遅延)は40ms未満と非常に少ないです。

40msの遅延は人間の感覚では遅延に気づくことが難しいレベルで、プロでもない限りFPSや音ゲーも全く違和感なくプレイできます。

遅延を許容できない環境で無線イヤホンやヘッドホンを使用する場合はapt-X LLがオススメです。

なお、aptX-LLに対応しているスマートフォンやゲーム機は殆どないため、基本的に以下のようなaptX-LLに対応したトランスミッターを接続する必要があります。

aptX-HD

apx-HDは、aptXのハイレゾ音源対応版です。

量子化ビット数/サンプリング周波数はこれまで紹介したコーデックよりワンランク上の24bit / 48kHz。

最大ビットレートは576kbps~620kbsです。

ただし、レイテンシ(遅延)は130ms程度と通常のaptX(70ms)よりも大きくなります。

aptX-Adaptive

aptX-Adaptiveは高音質と低遅延を実現したaptXシリーズの最新コーデックです。

レイテンシ(遅延)は50~80msと、aptXと同等の性能を維持しながら、量子化ビット数 / サンプリング周波数は、24bit / 48kHz(96kHzも可)に対応しています。最大ビットレートは420kbpsです。

aptX-LLほど低遅延ではないものの、音質と低遅延を両立したバランスの良いコーデックです。

LDAC

画像引用元:sony.co.jp

LDAC(エルダック)はSONYが開発した高音質コーデックです。

量子化ビット数 / サンプリング周波数は、24bit / 96kHzに対応しています。最大ビットレートは990kbpsです。

周囲の通信状況に合わせて「音質優先」、「標準」、「接続優先」の3モードが自動で切り替わるのも特徴です。
(スマホやDAPによってはモードを手動で切り替えることもできます)

HWA(LHDC)

ファーウェイが発表したコーデックです。

量子化ビット数 / サンプリング周波数は、24bit / 96kHzに対応しています。最大ビットレートは非公表。

LDACのように通信状況に合わせて「低遅延モード」への切り替え機能も搭載しています。

対応している機種は少ないですが、Shanlingなどの中華製BluetoothレシーバーやOPPOやXiaomiなどの中華製スマホに搭載されています。

コーデック一覧表

コーデックの仕様と性能を横並びで比較できるよう下表にまとめました。ぜひご参考にしてみて下さい。

SBCAACaptXaptX-LLaptX-HDaptX-ADLDACHWA
量子化ビット数16bit16bit16bit16bit24bit24bit24bit24bit
サンプリング周波数48kHz48kHz48kHz48kHz48kHz96kHz96kHz96kHz
ビットレート(最大)328kbps非公表
352kbps @ 44.1kHz
384kbps @ 48kHz
352kbps @ 44.1kHz
384kbps @ 48kHz
576kbps
620kbps※Snapdragon 865以降
420kbps990kbps900kbps
レイテンシ(遅延)220ms(±50ms)120ms(±30ms)
@128kbps
70ms(±10ms)40ms未満130ms50~80ms非公表50~400ms

まとめ

以上、本記事では主要なBluetoothコーデックの説明をさせていただきました。

冒頭にも述べましたが、Bluetoothコーデックは音質や遅延性を決定する要素の内の1つです。

Bluetoothコーデックは重要な要素ですが、それで全てが決定する訳ではないことを十分に理解しておくことも重要なことだと思います。

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