DAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)とは、デジタル音楽ファイルを再生可能なオーディオプレーヤーで、一昔前にSONYのウォークマンやAppleのiPod、東芝のGigaBeatなどがMP3プレーヤーとして流行しました。
2003年~2007年頃までは誰しもがiPodやgigabeatを持ち歩いていましたが、iPhoneなどのスマートフォンの普及によってスマホで音楽が聴けるようになったため、DAPを単体で持ち歩く人は一部のオーディオマニアだけになりましたね。
スマートフォンの普及からDAPはスマートフォンと差別化を図るために音質に特化し、DAPは高級機へと路線変更をしました。
しかし近年はスマートフォンに接続可能なスティック型USB-DAC等の普及で、スマートフォンでも本格的な音質で音楽が聴けるようになり、DAP不要論を唱える人まで出てきました。
この先、高価なDAPを購入する必要はあるのでしょうか?私なりに考察してみます。
結論:A級、AB級アンプ搭載機ならあり
筆者なりの結論としては、A級アンプやAB級アンプ搭載のDAPならありです。
アンプのクラスについては以下の記事で詳細に説明していますので、良ければ併せてご確認下さい。
DAPは大きく「①:ユーザーインターフェースの提供」、「②:デジタルデータのアナログ変換(DAC機能)」、「③:音量の増幅」という3つの機能があります。
①と②についてはスマホとスティック型USB DACでもDAPと同等かそれ以上の機能を提供できますが、③についてはDAPはA級やAB級の増幅回路を搭載することができるため、ここがDAPの強みになります。
A級、AB級アンプとは電力の消費量が大きく発熱が多いのですが、非常に音質が上質なことが特徴の増幅回路です。スマホから電源を供給する必要のあるスティック型USB DACは問答無用でノイズの混入しやすいD級アンプになるのですが、大容量バッテリーの搭載が可能で放熱がしっかり出来るDAPはA級アンプやAB級アンプを搭載しているモデルもあります。
以下のHiby MusicのR5 Gen2はA級とAB級の切替えができるDAPとして有名ですね。
まとめ
以上、高価なDAPを購入する必要があるのか、私なりに考察してみました。
本格的な音質をDAPに求める場合は、A級やAB級アンプを搭載したモデルの購入をおすすめします。D級アンプのみ搭載モデルの場合はスマホ+スティック型USB DACと比較して音質に殆ど優位性がありません。
なお、カジュアルに安価なDAPが欲しいというニーズもあると思います。今後D級アンプ搭載のDAPはSHANLINGのM0 PROを代表する、昔のiPod nanoのようなサイズ感のモデルが普及していくと筆者は考えています。