SHURE SE215 Special Editionは2012年11月28日に販売が開始された超ロングセラーモデルです。(ちなみに、Special Editionでない無印版は2011年4月に販売開始)
これまで多くの一般人をイヤホンスパイラル※に陥れた罪深きイヤモニでもあります。
イヤホンスパイラル:上位の音質を知ってしまい、さらなる音質を探求してイヤホンを買い続けてしまう行為。またはその衝動。俗にイヤホン沼とも呼ばれる。
出典:鍋ログが勝手に言ってます
例に漏れず、筆者もこのイヤモニを購入したことをきっかけにイヤホンスパイラルに陥りました。
この記事では魅力あふれる超定番イヤモニ『SE215 Special Edition(以降 SE215-SPE)』の魅力について綴っていこうと思います。
スペック・仕様
SHURE製品は1商品あたりのライフサイクルが非常に長く、付属物の内容などを定期的にマイナーチェンジするため内容物等をブログに書くと実際の内容と差異が生じる可能性があります。
よって詳細は以下のeイヤホンさんの商品ページよりご確認をお願いします。
finel E3000との比較
当ブログでは全ての有線イヤホンをFinalのE3000と比較します。
物を評価するのには相対的な評価が一番解りやすいこと、E3000はすべての音質が標準的にバランスしていること、また安価で手に入りやすいことなどが理由です。
独断と偏見を踏まえながらざっくりレーダーチャートで比較すると下図のようになります。
モニターイヤホンでありながら、音はそこまでバランスしておらず、むしろ高域はかなり控えめでウォームな印象です。
グラフにしてしまうとあまりぱっとしない印象に見えそうですが、いわゆるSHUREサウンドと呼ばれる音で多くのファンを獲得している音でもあります。
良い点、気になる点
良い点
スタイリッシュな色とデザイン
まず、めちゃくちゃスタイリッシュで格好良いですよね。色も綺麗です。
このデザインの格好良さで買った人も多いと思います。
上記画像は2022年9月30日に追加された新色のパープルです。
装着感の軽さと強力な遮音性
筐体が非常に軽くサイズも小ぶりなため、女性の耳にも問題なくフィットします。
遮音性については後述しますが、最高レベルのイヤーマフをも凌ぐ遮音性能になっています。
ゲーミング用途としてプロも使用
SE215-SPEは音楽関係者の他に、プロゲーマーにも人気のあるモデルです。
プロゲーマーに人気のある要素として、以下の3点が挙げられます。
・定位が良い
・遮音性が高い
・足音が聴き取りやすい
定位が良い
APEX、Fortnite、PUBG等のFPS系のゲームでは足音や銃声から敵の位置を早期に特定することができれば有利に試合を進めることができるため、定位の良さが非常に重要な性能になります。
SE215-SPEはモニターイヤホンのため定位が良く、FPSに必要な性能を充分に満たしています。
遮音性が高い
いくらイヤホンの性能が良くてもゲーム内の音と外の音が混ざってしまうと充分な性能を発揮できません。
SE215は公式で高遮音性イヤホンと謳われているとおり、遮音性がかなり強力です。
具体的には周囲の音を最大37dbカットできます。
地下鉄の車内の騒音が80dbと言われており、そこから37dbカットすると、
騒音レベルは約40db(市内の深夜、図書館、静かな住宅地の昼)となります。そのぐらいの強力なレベルで騒音を減衰させることが出来ます。
ちなみに3Mのイヤーマフで最大性能のX5Aでもカットできる騒音レベルは31dbのため、
SE215には本格的なイヤーマフ以上の遮音性能があります。
(しかもSE215の上からイヤーマフをつけることもできるので、組み合わせによってはどんな騒音もほぼ無音にすることができます(よく大規模会場でプロゲーマーがやっています))
足音が聴き取りやすい
銃声は高域のため比較的どのイヤホンでも聴き取りやすいのですが、低域を多く含む足音は低域が強調されているほうが聴き取りやすいです。
Special Edition(通称SPE)は無印モデルと比較して、若干低域を強調させるようなチューニングが施されています。
この低域のブーストは元々はリスニングとしても音楽を楽しめるように施されたチューニングなのですが、FPSに利用する際もメリットのあるチューニングとなっています。
気になる点
偽物が多い
SHUREの責任ではないのですが、偽物が本当に多いです。しかもパッケージも含めて真贋の確認が困難なほど精巧な偽物が多く普及しているため、購入には注意が必要です。
メルカリなどのフリマアプリでの購入は避けて、正規代理店で新品を購入したほうが良いです。
やむを得ず中古を購入する場合はeイヤホンやフジヤエービックなど大手専門店からの購入を強くオススメします。
スタジオモニターとしては微妙
SE215の一番の強みは軽い装着性と強力な遮音性だと思います。
よって、楽器演奏等のステージングモニターとして利用する場合には最適な選択肢だと思います。
ただし音はウォームで音場も狭いため、音源のミキシングやマスタリング等のスタジオモニターとしての性能はかなり微妙に感じます。
スタジオモニターとしてのバランスの良さは同価格帯のライバル機「ゼンハイザー IE100Pro」のほうが優秀と思います。
まとめ
販売から10年以上経過したこの記事の執筆時(2023年8月18日現在)でもAmazonで月1,000台以上が売れている超ロングセラーモデルです。
長い間愛され続けるにはそれなりの理由があると思います。
専門店なら確実に試聴できるほど定番イヤホンのため、聴いたことが無い人は是非一聴してほしいモデルです。