ポータブルオーディオ界隈に一大ムーブメントを引き起こしているスティック型USB-DAC(以下、ドングルDAC)
スマートフォンやタブレット、PCに接続することで本格的なサウンドを楽しめるようにしてくれる魔法のアイテムで「ドングルDACがあればもうDAPは要らない」と評価されることもあるようですが、本当にそうなのでしょうか。
今回はDAPとドングルDACを比較し、それぞれのメリットを解説します。
ドングルDACのメリット
使用していないスマホを活用できる
スマホを買い替えたりする度に古いスマホが余りますよね?iPhoneは中古でも高値で売れたりしますが、Android端末はフリマサイトに出品してもあまりお金にならない場合が多く、とりあえずしまっている人も多いと思います。
ドングルDACを使用すれば、そのような眠っている古いスマホをDAPのように使用することが出来ます。
コストパフォーマンスが高い
価格はピンからキリまでありますが、大体1~3万円程度の製品が多く、高いものだと何十万円もするDAPと比較すると非常にコストパフォーマンスが高いです。
特にFiiO製品は安価なモデルでも本格的なDACチップを搭載していることが多く、非常に繊細で高解像度な音質で多くのファンを獲得しています。
以下のKA3は15,000円程度と比較的安価でありながら非常に人気のモデルです。
バッテリー劣化の心配をしなくても良い
ドングルDACの多くはUSBバスパワー給電のため、本体にリチウムイオンバッテリーを搭載していません。リチウムイオンバッテリーは充電を繰り返すことで劣化していくため、特に高級DAPでバッテリーの劣化は非常に気になる部分ですよね。
ドングルDACはバッテリーの劣化とは無縁のアイテムなのが永く使用する上で非常に良いですね。
高音質でゲームを楽しむことが出来る
DAPは音質有線でとてもゲームをサクサク動かせるスペックの製品は少ないのですが、ドングルDACはスマホを使用できるため、スマホのスペックによっては遅延のない有線で、しかも高音質でゲームを楽しむことができます。
スマホのスペックを自由に選択できる点がドングルDAC最大のメリットと感じています。
DAPのメリット
オールインワン
ユーザーインターフェース、ストレージ、DAコンバーター、増幅回路等の全ての機能が1台に凝縮されています。
1台所持しておけば他の道具はイヤホンやヘッドホンだけで良いのは非常にシンプルで良いですね。
増幅回路の選択肢が多い
アンプの増幅回路にはA級、AB級、D級などのクラスがあるのはご存知でしょうか?
詳しくは以下の記事に書いていますので、良ければ併せてご確認ください。
USBバスパワー給電のドングルDACは問答無用でD級アンプが採用されるのですが、大型バッテリーを搭載しやすく放熱処理もしやすいDAPはA級アンプやAB級アンプを搭載しているモデルもあります。
以下のHiByMusicのR5Gen2はA級アンプモードを搭載していることで有名です。
燃費や発熱を犠牲に上質な音を手に入れるA級アンプの採用はドングルDACには真似のできないDAPの最大の特徴ですね。
全体最適が図られている
DAPは1台に全ての部品が詰め込まれるため、ICチップの組み合わせや配線の線材や配置などにもこだわり、いわゆる「全体最適」の図っているモデルが多いです。
部品やケーブルの組み合わせを楽しむのもオーディオの楽しみのひとつですが、トップメーカーの技術者が全体最適を図った製品を持つのも良いですよね。
まとめ
以上、今回はDAPとドングルDACを比較し、それぞれのメリットを解説しました。
筆者の感想としては、ドングルDACの登場によって、A級やAB級などの増幅回路を搭載した高級DAP以外のDAPを持つ必要性は薄くなったのかなと感じています。