アーティストのライブや映像を観ていて、歌手や演奏者の耳元で光るイヤホンが気になったことのある人は多いのではないでしょうか。
こちらはインイヤーモニター(通称:イヤモニやIEM)と呼ばれるイヤホンで、ライブや制作用途に使いやすい仕様に調整されたイヤホンです。
インイヤーモニターは元々はプロ専用のものでしたが、見た目のスタイリッシュさや遮音性の高さから、一般ユーザーにも愛される存在となりました。
そこで本記事ではこのインイヤーモニターの特徴について解説し、定番のイヤモニ等を紹介したいと思います。
インイヤーモニターの特徴
特徴①:高い遮音性
イヤモニに求められる性能として、高い遮音性が挙げられます。
ライブ時は他の楽器や観衆の声の中から自分の声や演奏している音、そしてリズム帯の重要なパートを聞き取る必要があります。

イヤモニは外部の音を極力遮断し、イヤホンから出力される音のみを聞けるように遮音性がかなり高く設計されているものが多いです。
特徴②:装着性の良さ
激しいステージングでもイヤホンが落下しないように、装着性が高く設計されているイヤホンが殆どです。
また、ケーブルを耳の後ろにかける「SHURE掛け」と呼ばれる装着方法を採用したイヤモニが多く、このおかげでケーブルが引っかかってもイヤホンが落下するようなことは殆どありません。
また、タッチノイズ(ケーブルが服などに触れてゴソゴソ鳴る現象)が発生しにくいのもSHURE掛けの特徴です。

特徴③:フラットな音質と高い分離感
イヤモニの音域に偏りがあると、制作作業でバランス良くミックスしても他の機材で聴いた時にバランスの悪い音になってしまうというリスクがあります。
そこでイヤモニは特定の音域を強調させない「フラット」な音質である場合が多いです。

また、あらゆる楽器やパートを分離して聴き取れるように「分離感」が高く設計されています。
このフラットさと分離感の良さは楽器演奏や音楽制作だけでなく、様々な環境音から足音を聞き取る必要のあるFPSゲームでも好まれる傾向があります。
定番のインイヤーモニター
ここでは定番のイヤモニを紹介します。1万円代のエントリークラスで定番のものを揃えました。
SENNHEISER IE 100 PRO
ドイツ発祥の老舗オーディオブランド「SENNHEISER」のインイヤーモニターです。
フラットながら奥行きのあるサウンドが特徴で、イヤモニにありがちな平面的で退屈な音とは一線を画すイヤホンです。

SHURE SE215
米国の大手音響機器メーカー「SHURE(シュア)」のインイヤーモニターです。
SHUREはSHURE掛けという呼称の元になったメーカーですね。スタジオマイクのSM58(通称:ごっぱー)等、イヤホンやヘッドホンだけでなくプロ用の音響機器全般で大きなシェアを誇っているメーカーです。
Apex LegendsなどのFPSゲームで使用している人がかなり多いため、ゲーマーの方にとっての知名度も高いです。

Acoustune RS ONE
戦闘機のような独特なデザインのイヤホンを多数販売しているAcoustuneのイヤモニです。
Acoustuneは2013年に香港で設立されたメーカーで、音響メーカーとしては比較的若いブランドです。
RS ONEの特徴は高解像感です。特にハイハットなどの高域がかなり聴きとりやすく、リズムを重視する場合にとても扱い易いイヤモニです。

まとめ

以上。本記事ではモニター用のイヤホン『インイヤーモニター』について解説しました。
イヤモニはプロだけでなく一般ユーザーでも愛用者が多いイヤホンです。
気になった方は是非、最寄りのイヤホン専門店等でご試着・ご試聴なさってみては如何でしょうか。
本記事の内容が少しでも参考になりましたら嬉しいです。
おまけ:リスニングに特化したモデルも
イヤモニの高遮音性や装着性を残したまま音質をリスニング向けにチューニングしたイヤホンも現在は多数販売されています。
そこでここではリスニングに特化したイヤモニの代表的なものを紹介します。
SENNHEISER IE600
筐体にアモルファスジルコニウムという火星探査車のドリルに使用されている合金を使用しており、かなり堅牢ボディが特徴です。
サウンドはゴツゴツした見た目とはギャップのある美音系サウンドで、特に中高域の表現力が素晴らしく、サックスやヴァイオリン、リードギターなどの主旋律や女性ボーカルの引き立つイヤモニです。
Victor HA-FW10000
木の振動板を採用したWOODモデルの最上位機種です。
イヤホンとは思えない程空間表現力が高く、また高級文房具のような老若男女を問わないデザインが良いですね。

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