ヘッドホンアンプが気になって調べようとしたら検索候補に「ヘッドホンアンプ 意味ない」と出てきて、「ヘッドホンアンプって意味ないの!?」と不安になっている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、音質の向上に間違いなく効果がありますが、環境によってはヘッドホンアンプを使用する恩恵が薄い場合もあります。
本記事ではヘッドホンアンプの効果について解説します。
ヘッドホンアンプの意味がないと言われる理由
前提
デジタル音源をイヤホンやヘッドホンに届けるには「DAC」と「アンプ」の2つの機能が必要です。
「DAC」はDigital to Analog Converterの略で、デジタル信号をアナログ信号に変換するICチップです。
「アンプ」はアナログ信号を増幅させるための装置(ICチップや真空管)です。
製品によってはこの2つの機能がセットになっているモデルもありますが、ここで言うヘッドホンアンプは後者のアナログ信号を増幅させるための装置です。
イヤホンではアンプの恩恵を受けにくい
ヘッドホンアンプの本領は出力を大きく増加させた時に発揮します。煩雑なアンプでは出力を大きくするにつれて音が歪んだりノイズも大きくなったりしますが、高品位なヘッドホンアンプでは出力を大きくしても綺麗に原音だけが大きくなります。
イヤホンはヘッドホンと比較してインピーダンス(抵抗)の小さなモデルが多く、ヘッドホンアンプの本領を発揮するまでに十分な音量をとることができる場合が多いため、低品位なヘッドホンアンプと比較して違いが解りにくいです。

逆に、HD800Sなどかなりインピーダンスが大きく非常に鳴らしにくいヘッドホンでは明確な違いを感じることができます。

DAC内蔵アンプ性能の向上
スティック型USB-DACなどのDACに内蔵されているアンプ性能が近年で非常に向上しており、多少インピーダンスが大きいイヤホンやヘッドホンでもそれなりの音質で十分な音量を出力することができるようになってきています。
よってDAC内蔵アンプの性能向上に伴い「ヘッドホンアンプは意味ない」という意見も出てきているようです。

高品位なヘッドホンアンプを用いるメリット
高品位なヘッドホンアンプを用いるメリットは大きいです。以下にその理由を解説します。
ノイズ特性
オーディオノイズはアンプ部でのアナログ信号増幅処理に混入する割合が大きいです。
低品位なアンプでは増幅処理時にノイズが混入するため、特に高感度(低インピーダンス)のイヤホンを接続した際に、無音時でも「サー」というホワイトノイズが混入することがあります。
私の愛用しているSHUREのSE846は感度が高く、低品位なアンプに接続した際のホワイトノイズは顕著に聴こえます。

よって私はSE846をアンプの品質を確認するための道具としても使っています。
イヤホンの高インピーダンス化
高インピーダンスなイヤホンやヘッドホンは鳴らしにくいというデメリットはありますが、ノイズの混入が少なくなるというメリットもあります。
そして近年は平面磁気ドライバーの採用など、イヤホンの高インピーダンス化が進んでいます。
高インピーダンスなイヤホンはアンプによって音質が大きく変化するため、独立した高品位なアンプを採用するメリットが増えてきています。
おすすめのヘッドホンアンプ
最後に、おすすめのヘッドホンアンプを紹介します。
Astell&Kern AK PA10
韓国のポータブルオーディオメーカー「Astell&Kern」のポータブルヘッドホンアンプです。
ポータブルでは珍しく、アンプ回路にAクラスの回路を搭載しているため、非常に音の歪みが少なく綺麗に音量を増幅させることができます。

FiiO K9 PRO ESS

FiiOの最上級ヘッドホンアンプです。アンプ回路に「THX-AAA 788+」という高品位なアンプを搭載しており、
DACチップにはESSの最上級DACチップ「ES9038PRO」を2基搭載しています。
DAC機能を搭載しておりPCに直接接続することもできるため、これ1台で完結する最上級ヘッドホンアンプです。
パワーももちろんですが、SE846のような高感度なイヤホンのボリューム調整も細やかに調整できる非常に繊細な表現が可能なヘッドホンアンプです。
現在は販売終了しているため、気になる方は中古品を探すことになるかと思います。
まとめ
以上、今回はヘッドホンアンプの恩恵と効果について解説しました。
ヘッドホンアンプは特にインピーダンスが高いイヤホンやヘッドホンを所持されている方にとっては非常に魅力のある製品です。
本記事が皆様の理想のオーディオ環境を構築するための参考になりましたら幸いです。
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