いま、ポータブルオーディオ界隈では「スティック型DAC」や「ドングルDAC」と呼ばれる、USBバスパワーで駆動するDACアンプが非常に人気です。
大人気な理由は、手持ちのスマホやタブレット、ノートPCなどを本格的なDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)と同レベルの音質に引き上げてくれるからですよね。
今回はこのスティック型USB-DACのメリット・デメリットについて解説します。
スティック型 USB-DACのメリット・デメリット
スティック型USB-DACのメリット
本格DAPに匹敵する音質の良さ
スティック型USB-DACの登場によってDAP不要論者が出るほど手持ちのスマホを本格的な音質にすることができます。筆者も正直ここまで凄いのかと関心してしまいました。下手なDAPを手にするくらいなら、スマホとスティック型USB-DACを組み合わせたほうが幸せになれる可能性が高いと思います。
使用していないスマホを活用できる
スマホは大体2年のスパンで買い替えることが多いと思いますが、買い替える毎に余分なスマホが余ってきますよね?特に古いAndroidはリセールバリューも低いため、そのまま眠らせている人も多いと思います。
スティック型USB-DACはそのように眠っているスマホを活用し、DAPのように運用することができます。
OSのバージョンを気にしなくても良い
最新OSがサポートされる期間はメーカーによって異なりますが、概ね2~4年です。つまり高価なDAPを購入してもどんどんOSが古くなり、そのうち対応アプリが無くなっていったり、セキュリティ的な問題が発生することになります。
高価なDAPを購入しても2~4年でストリーミングが使用できなくなったり、セキュリティ的に問題が発生してくると寂しいですよね。
スティック型USB-DACを使用すればユーザーインターフェースがスマートフォンになるため、OSのサポートが切れても別の新しいスマホに交換するだけで永遠に使用することができます。
価格が手頃
DAPは非常に高価なものが多く、本格的な物は10万円以上します。
対してスティック型USB-DACは数千~数万円程度で購入できるため、財布にとても優しいです。
スティック型USB-DACのデメリット
スマホの消費電力が上がる
スマホから給電を行うため、スマホの消費電力が上がってバッテリーの減りが早くなります。
筆者のおすすめはメインスマホとは別にオーディオ用のスマホを用意することです。そうすることで、メインスマホのバッテリーを節約することができます。
アンプ回路はD級
高価なDAPには増幅回路に「A級」や「AB級」といった本格オーディオで用いられる増幅回路を搭載したモデルも多くあるのですが、スマートフォンやタブレットから給電する必要があるスティック型USB-DACはデジタルアンプと呼ばれる「D級」アンプが用いられます。
D級アンプは電気効率が良く最も普及している回路ですが、音質的な特性はどうしても「A級」や「AB級」に及びません。
なお、増幅回路を別のアナログアンプに置き換えることでA級の増幅回路を搭載することは可能ではあります。(その場合、スマホ + スティック型USB-DAC + A級アナログアンプ)というスタック構造になります。
まとめ
以上、今回は「スティック型USB-DAC」の魅力について紹介しました。スマホをまるでDAPのように運用できるのは非常に便利です。
参考に、以下は筆者の愛用しているiBasso AudioのDC04PROです。1万円台という低価格ながらノイズが非常に少なくクリアかつ繊細に音を鳴らしてくれるため非常に気に入っています。気になった方は、是非詳細をチェックしてみて下さい。