SHANLING UP5はコンパクトで高品位なBluetoothレシーバーです。
生活に馴染みすぎてレビューを書く予定が無かった(忘れてた)のですが、1年以上愛用してきたので、レビュー記事を書こうと思います。
結論としては色々な場面に卒なく対応できる優秀なデバイスです。
ライバル機種としてはFiiOのBTR7、iFi audioのGo blu等がありますが、その2機種との比較に加え、同じくSHANLINGから発売されているコンパクトDAP「M0Pro」とも比較し、用途によってどちらが優れているかも記載していきます。
スペック・仕様
スペック・仕様については誤植防止のため、以下のリンクよりご確認をお願いします。
Fiio BTR7及びiFi Go bluとの比較
ライバル機である、FiiOのBTR7とiFi audioのGo bluとの性能面での比較を下表に整理しました。
SHANLING UP5 | FiiO BTR7 | iFi audio Go blu | |
出力端子 | 2.5mm(BL) 3.5mm 4.4mm(BL) | 3.5mm 4.4mm(BL) | 3.5mm 4.4mm(BL) |
Bluetoothバージョン | 5.0 | 5.1 | 5.1 |
対応コーデック | SBC AAC aptX/LL/HD LDAC LHDC | SBC AAC aptX/LL/HD/Adaptive LDAC | SBC AAC aptX/LL/HD/Adaptive LDAC LHDC |
マイク機能 | 有 | 有 | 有 |
連続使用時間 (シングル出力) | 15時間 | 9時間 | 8時間 |
重量 | 50g | 68g | 27g |
この3機種で機能面でUP5の優れている点は、2.5mmのバランス接続に対応していることと、連続再生時間が一番長いことですね。
どの製品もマイクを備えているため、胸ポケットに入れた状態で通話も可能になっています。
音質面は筆者の主観となりますが、簡単にまとめると以下のような感じです。
UP5:少しウォーム寄りでバランスの良いサウンド
BTR7:音の解像度が高く音の粒が細かいフラット寄りなサウンド
Go blu:高出力な美音系サウンド
それぞれキャラクターが異なりますが、どの機種も魅力的なチューニングがされています。
もしUP5を試聴する機会があれば、他の2機種も併せてご試聴頂きたいです。
M0Proとの比較
同社から販売されているM0ProというDAPがあります。
M0ProもBluetoothレシーバーとしての機能を搭載しているので、Bluetoothレシーバーとして運用する場合の比較をしてみます。
M0Proについては当ブログでも紹介しているので、もし良ければ併せてご確認ください。
なお、M0ProはDAPのため、そもそもの用途が異なります。あくまでBluetoothレシーバーとして運用する場合の比較です。
結論から言うと、Bluetoothレシーバーとして運用する場合はUP5のほうが圧倒的に優れています。
やはり餅屋は餅屋ということですね。
コーデックが豊富
M0Proの対応コーデックはSBC/AAC/LDACの3種類のみで、AptXシリーズには非対応です。
AptXシリーズは接続が不安定になると破裂音が発生するという仕様上のバグがあるため改善とも言えますが、AptX-LLについては超低遅延でゲーミングでも使用できる通信規格のため、ゲーミングで無線通信を行う場合はUP5のほうが優れています。
2.5mmバランス接続対応
M0Proは2.5mmバランス接続に対応していないため、出力端子の豊富さはUP5の方が優れています。
まぁ、2.5mmバランスは絶滅危惧種の規格でもありますが、、
追加ケーブル無しで4.4mmバランス接続可能
M0Proの本体の出力端子は3.5mmアンバランス端子のみで、4.4mmバランス出力をするには別売の4.4mm変換ケーブルが必要になります。
よって単体で4.4mm出力の可能なUP5の方が優れています。
音声通話が可能
UP5は本体にマイクを搭載しているため胸ポケットに入れた状態で通話することができます。
M0Proについては音楽の再生専用で、通話などを行うことは出来ません。
良い点・気になる点
UP5を単体として見た時の良い点・気になる点を記載します。
良い点
コンパクトにも関わらず高品位なサウンド
以下の写真はSHUREの純正イヤホンケースにイヤホンとUPを収めている様子ですが、両方ともケースに収めることができます。めちゃくちゃコンパクトですよね。
また、以下の写真のようにSHURE SE846のような高感度イヤホンをバランス接続で接続した場合でもほぼノイズが発生しません。
DACチップやBluetoothチップ、その他のパーツが高品位なもので構成されていることが解ります。
(SE846はこのようにアンプの品質を調べる場合にも活躍します^^;)
2.5mm、3.5mm、4.4mmの同時出力可能
意外と便利なのが出力端子に優先順位が存在せず、全ての接続先に出力されるため同時出力が可能です。
eイヤホンなどで試聴する場合に音源を停止したりすることなくシームレスに聴き比べることが出来るので、この同時出力可能な仕様はかなり重宝しています。
実は通話もできる
何度も書いているのでしつこいかもしれまんが、マイクを搭載しているため音声通話が可能です。
途中で電話がかかってきても何気に便利なんですよね。
USB DACにもなる
Bluetoothレシーバーだけでなく、PCやスマホに接続すればUSB DACにもなります。
USB接続時は最大で[384kHz/32bit PCM]、[DSD256]のファイルをサポート可能です。
気になる点
時々ソフトリセットが必要
長時間使用していると、たまに動作が不安定になることがあります。具体的にはBluetoothに接続してもプツプツという音だけが聴こえて音楽が再生できないことが多いですね。
電源ボタンを長押しして起動後、そのままずっと長押しすればソフトリセットされて症状が改善されるのですが、少し動作が安定しないことがあります。そこまで頻度は多くありませんが、気になる点ではあります。
ボリュームノブがチープ
ボリュームノブが平べったく質感もチープです。
ボリュームノブって一番触るところなので、正直ここの質感はこだわって欲しい部分です。
まとめ
Bluetoothレシーバーは有線イヤホンのメリットである高品位なアンプと、無線イヤホンのメリットである取り回しの良さと通話性能の良い所取りが出来る利便性の高いデバイスです。
高品位なBluetoothレシーバーを1台所有していると色々なシーンで活用することができるので、是非チェックして頂きたいと思いました。
筆者の場合は特にイヤホンやヘッドホンの店頭試聴時に活躍しています。