「購入したBluetoothレシーバーに “ESS◯◯搭載” と書いていたけど、これは何?」
「DACチップって何をするチップなの?」
「どんなDACチップが入っていればいいの?」
上記のような疑問を持ったことのある人は多いのではないでしょうか?
商品紹介に「ESS ES9219Cを2基搭載!!」と書いていても多くの人は”??”となりますよね。でもスペックに大きく記載するだけあり、DACチップはオーディオアンプにおける非常に重要なパーツです。
本記事では、重要部品であるDACチップについて解説したいと思います。
- DACチップの役割
- DACチップがオーディオに及ぼす影響
- DACチップの代表メーカー
- DACチップごとの人気機種
是非、最後まで読んで頂ければ幸いです。
DACチップとは
DACとは(Digital to Analog Converter)の略で、デジタル信号をアナログ信号に変換する装置です。
現代のオーディオ音源の殆どはデジタルデータのため、0と1だけで構成された論理的なデジタルデータを現実に可聴できるアナログの波に変換しないといけないですよね。
DACはこのデジタルデータをアナログデータに変換する役割をもったICチップです。

DACチップが重要な理由
何故、オーディオ製品の中に沢山あるICチップの中でもDACチップが重要視されるのでしょうか?
それは、DACチップがアナログ信号のスタート地点となる装置だからです。
デジタル信号は0と1の羅列のため基本的にノイズは混入しませんが、アナログ信号は電気の波のためノイズが混入しやすくなります。
信号変換直後のスタート地点からノイズが入ったり歪みが混入すればその後でリカバリすることは不可能です。不純な信号によって生成された音が耳まで届くことになります。
よって、デジタルデータをいかに綺麗にアナログ信号に変換できるかが現代オーディオ製品の重要な課題になるのです。DACチップはこの課題を一身に背負っている重要なパーツなのです。
DACチップの代表メーカー
DACチップを生産している主なメーカーには、「ESS Technology」「AKM(旭化成エレクトロニクス)」「ROHM(ローム)」などがあります。
旭化成エレクトロニクス株式会社やローム株式会社は日本企業ですので、日本の半導体技術の高さが伺えますね。
DACチップごとの名機
DACチップごとの有名な製品を紹介します。
エントリークラス:ESS「ES9219C」
- FiiO BTR7
- Shanling M0Pro
- iBasso DC06
FiiO BTR7
FiiOのBluetoothレシーバーです。胸ポケットにも収まる小型なサイズながら、有線と遜色のないきめ細やかで解像度の高いサウンドは一聴の価値があります。

Shanling M0PRO
Shanling製の超小型DAPです。このサイズでハイレゾ音源が聴けるDAPは珍しく、とても面白い商品です。

iBasso Audio DC06
ボリュームコントロールやイコライザーなどの余分な機能を削ぎ落としてDACの機能だけを提供している面白いアイテムです。別途ヘッドホンアンプ等と組み合わせやすい商品でもあります。

ハイエンドクラス:ESS「ES9038PRO」
- FiiO K9 PRO ESS
- S.M.S.L SU-9n
- OPPO Sonica DAC
FiiO K9 PRO ESS
FiiO K9 PRO ESSはFiiOのハイエンド据え置きDACアンプです。これは筆者も所有しており、SE846というローインピーダンスなイヤホンをバランス接続しても全くホワイトノイズの発生しないアンプです。
「音源本来の音だけが聞こえる」といった感想で、筆者はまだこれ以上良いアンプの音を聴いたことがありません。
なお、AKM製のDACチップ版の「K9 AKM」という商品ラインナップもあります。DACチップだけで商品ラインナップが変わる位、DACチップは重要ということですね。

S.M.S.L SU-9n
SMSLは2009年に中国の深センで生まれたオーディオメーカーで、ハイエンド・オーディオを手に届く価格で提供することをモットーにしており、スペックの割にコスパに優れた商品を販売していることが特徴です。

OPPO Sonica DAC
OPPOはスマートフォン市場で「サムスン電子」「アップル」「ファーウェイ」に次ぐ4位の販売シェアをもっている大手電子企業です。
スマートフォンでコントロールできる専用のアプリもあるため、遠隔操作可能なモデルです。
スマホの高い技術をオーディオ製品に取り組めるのがOPPOの強みです。
まとめ
以上、本記事ではDACチップの役割や重要性について解説させて頂きました。
オーディオアンプを選ぶ際はDACチップ名も調べて検索してみると、意外な商品で同じDACチップが使われていたりしてとても楽しいですよ。
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