ZEN DACは英国の高級オーディオメーカー「AMR」の展開するポータブルオーディオに特化したブランド「iFi audio」が開発・販売するコンパクトDAC兼ヘッドホンアンプです。
ZEN DACの名前の由来は「禅」で、禅はサンスクリット語で「静かに考えること」を意味します。
筆者はZEN DACをデスクトップの据え置きDACアンプとして長期間使用してきたため、今回はZEN DACについてレビューします。
「禅」の名のとおり、ZEN DACの奏でる繊細かつ上質でパワフルな美音は、物事を深く思索したい場合に最適な精神状態にしてくれるアイテムです。
スペック・仕様
スペック・仕様の概要を下表に整理しました。
入力 | USB3.0 Bメス(USB2.0互換) |
フォーマット | PCM 44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz DXD 352.8/384kHz DSD 2.8/3.1/5.6/6.2/11.2/12.4MHz MQA(レンダラー対応) |
DACチップ | Bit-Perfect DSD & DXD DAC by Burr Brown |
ライン出力 | Audio RCA(アンバランス) 2.1V 固定 1V / 最大3.3V(可変) 4.4mm Pentaconn(バランス) 4.2V 固定 2V / 最大6.2V(可変) |
ヘッドホン出力 | 6.3mm(アンバランス)1V / 最大3.3V 12Ω ‒ 300Ωのヘッドフォン 4.4mm Pentaconn(バランス):2V / 最大6.2V 12Ω ‒ 600Ωのヘッドフォン |
消費電力 | 信号なし ~ 0.5W、最大信号 ~ 2.5W |
重量 | 491g |
サイズ | 158mm(長さ)×100mm(幅)×35mm(高さ) |
標準的な小売価格 | 33,000円(税込) |
保証期間 | 12 ヶ月 |
良い点・気になる点
良い点
パワフルな美音のiFiサウンド
音はiFi audioならではのパワフルな美音系サウンドです。ZEN DACの音がiFi audioの音と言っても過言ではないと思います。音の味付けの仕方が絶妙で、濃すぎず、かつ退屈でもないチューニングは多くのイヤホンやヘッドホンとマッチします。
スピーカーへの出力も可能
背面のRCA出力端子と4.4mmバランス端子からスピーカーへの出力も可能です。コンパクトながら据え置きDACとしても十分な機能を備えています。
4.4mm出力をスピーカーに接続する場合はXLR端子に変換するケーブルが必要です。非常に高価ですが、以下の純正ケーブルを使用すればXLRのバランス出力が可能となります。
なお、以下の安価なケーブルでも動作確認が取れています。純正ケーブルが高価すぎるという方は是非参考になさって下さい。
USBバスパワー駆動可能
PCで運用する場合はUSBからのバスパワー給電が可能なため、別途電源等を用意する必要がありません。ビジネスホテルやカフェで運用する場合も非常に便利ですね。
なお、スマートフォンやタブレットにも接続することもできますが、スマホやタブレットに接続する場合は電力不足となるため、別途以下のDC電源が必要となります(純正品は非常に高価です。。)
高い質感
アルミ削り出しの高級感ある筐体で、触れた時の質感や持った時の重量感が非常に良いです。天板は光沢が抑えられているため、指紋や埃が目立ちにくいのも良いですね。
気になる点
小音量時にギャングエラーが発生する
小音量時にギャングエラー(左右の音量に差が生じる現象)が生じます。ボリュームノブを10時の位置以上まで回せば解消されるのですが、小音量でのボリュームコントロールがかなり難しいです。
なお、以下で紹介するZEN CANとのスタック構造にすればギャングエラーを解消することができます。
入力がUSBのみ
入力がUSBのみでAUX入力はありません。アナログのAUX入力が必要な場合は以下のZEN CANがおすすめです。
また、ZEN DACとZEN CANをスタックして運用する方法もあります。この方法であれば増幅回路をより品質の良いZEN CANに移譲することができるため、ボリュームコントロール時のギャングエラーも発生しなくなります。
まとめ
以上、今回はiFi audioの「ZEN DAC」についてレビューしました。
「禅」の名の通り、心を静かに音楽に浸ることができる上質なサウンドを持ち運ぶことのできる非常に優秀なアイテムです。気になった方は是非、詳細をチェックしてみてください。