スティックドリフト現象とは、コントローラーのスティックを触っていないのに視点が動く現象のことで、ジョイスティックが経年劣化した場合やデッドゾーン(スティックが反応するまでの余裕代)を設定しない場合に生じます。
そこでドリフトについて調べると「このPADはホールエフェクトセンサーが搭載されているためドリフト現象が生じない」のような説明をよく見かけると思います。
実はこの表現は実際とは異なるため、本記事ではホールエフェクトセンサーの本来の機能と注意点について解説したいと思います。
ホールエフェクトセンサーはドリフト現象が「悪化しにくい」
ホールエフェクトセンサーはスティックに物理的な接点を持たないため、物理的な劣化が生じにくい構造になっています。つまり、「ドリフト現象が悪化しにくい」が表現としては正しいです。

デッドゾーンを設定しない場合は多かれ少なかれドリフト現象が発生するのが通常です。実はプロゲーマーもドリフト現象を指で制御しながらプレイしている人が多数です。
デジタルデッドゾーンの罠
デジタルデッドゾーンや内部デッドゾーンとも呼ばれますが、ゲームPAD本体にデッドゾーンが設定されている商品も存在します。この場合はゲーム上で「デッドゾーンなし」に設定してもドリフト現象が生じないため品質が高いように錯覚してしまいますが、PAD本体側で余裕代をみているためデッドゾーン無しによる高感度の恩恵は受けられません。
実はNACONのREVOLUTION5PROがデフォルトでデジタルデッドゾーンを入れていたのが某レビューワーに指摘されて少し物議となりました。
ちなみに今はアップデートでデジタルデッドゾーンを解除できるようになっているそうです。

重要なのは校正機能
重要なのはドリフト現象が発生しても、その状態をゼロ点に再設定する校正(キャリブレーション)機能の有無です。
例えば筆者の愛用している「BIG BIG WON Rainbow 2 Pro」はホールエフェクトセンサー非搭載ですが、校正機能があるため経年劣化によってドリフトが生じても校正でリセットすることができます。
よって完全な物理故障が起きるまでは校正を繰り返すことで最小限のドリフトでゲームをプレイすることができます。
ドリフト現象の解消においては、ホールエフェクトセンサーの有無よりも校正機能の有無のほうが重要です。

まとめ
以上、今回はホールエフェクトセンサーの効果と宣伝文句の注意点について解説しました。
簡単にまとめると、
・ホールエフェクトセンサーはドリフト現象が「悪化しにくい」
・ドリフト現象の解消には校正(キャリブレーション)機能の有無が重要
・デジタルデッドゾーン(内部デッドゾーン)には要注意
本記事の内容が皆様のご参考になりましたら幸いです。
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